症例/不定愁訴

患者様情報

来院されるまでの症状

・半年ほど前からひどい吐き気に襲われ、食欲もなく、夜も眠れない日々が始まった。
・足が氷のように冷たく、下肢全体がむくんで重だるく、のぼせが出ると頭痛に悩まされるということで来院なさいました。

患者様 20代 神奈川
初診 2010年11月
既往症 なし
他の症状 なし

四診と経過

診療(診断と施術)

・背中に強い筋緊張がみられました。
・特に右背中と左腰が突っ張っており、側湾が顕著であったため、左右の筋肉のバランスを整える治療を行いました。
・背中の筋肉が緩むと、呼吸が楽になり、胃部不快感は軽減したようでした。

初診後の経過

・治療後、2~3日は調子が良く、吐き気や不眠が治まりましたが、1週間もするとまた背中が張って症状がぶり返す様子でしたので、当分の間、週に1回のペースで治療を継続する予定です。

使用した主要なツボ

①胃兪(いゆ) ②意舎(いしゃ) ③膏肓(こうこう)

ひとこと添えさせていただきます

・不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、なんとなく体調が悪いといった自覚症状があるにもかかわらず、医療検査をしても、身体の不調につながる明らかな病変が見つからない状態を指します。或る意味では複合的な原因によって生じる症状とも言えます。ですから、眼科、耳鼻科、消化器科、循環器科、整形外科、脳神経外科(神経内科)、精神科などのたくさんの症状が1人の患者さんに出現するので、どこの病院へ行っても受診した診療科(例えば内科)だけの症状をやわらげる対症療法の薬を投与されるだけで、根本的な解決とならないのが現状です。
・このような不定愁訴といわれる症状の中で、首や肩のコリが原因の場合が多くあります。背中の筋緊張を放っておくと、胃腸を圧迫し、呼吸も浅くなります。
・自律神経に悪影響を及ぼす前に、身体の緊張を取り、リラックスできる状態をつくると良いでしょう。